5月の仮想通貨マーケット・レポート!迷走する中国の仮想通貨戦略

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経済の減速が深刻化する中国では、暗号資産(仮想通貨)関連のニュースも下火になっていましたが、久しぶりにここ最近の動きが報告されました。それぞれに意味合いの異なる3つのニュースを、香港、アメリカ、中国本土からレポートします。

バーチャル資産ETFで盛り上がる香港

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香港のバーチャル資産ETF市場が拡大し、トータルでの運用資産が約469億円に達しました。関係者は、金融市場全体を押し上げるチャンスと見ています。

6つのバーチャル資産ETFが運用を開始してから、現在1日当たりの取引額は2,000万香港ドル(約4億円)にまで増加しています。

ここ数年香港では、バーチャル資産とWeb3の人気が急速に高まっており、VATP(仮想通貨取引業者)、香港ドル・ステーブルコイン、VAOTC(バーチャル資産OTC)などでのユースケースが拡大中です。

ステーブルコインに関して香港は、日本やシンガポールとは異なる規制アプローチを進めています。それを決済システムに統合せず、新規ライセンスの発行という方法で規制しているのです。これは革新的な規制手段だと言えるでしょう。

中国のマイニング企業にアメリカ政府が停止命令

ミニットマンⅢミサイルが配備された、アメリカ・ワイオミング州のウォーレン空軍基地からわずか数キロの地点で、中国のマイニング施設が稼働しています。この施設はイギリスのバージン諸島に本拠を構える、中国企業のMineOne(マインワン)の所有です。

ホワイトハウスはこの企業が、必要な許可を得る前に操業を開始したとして停止を命じました。

命令は5月13日にバイデン大統領が発したもので、この企業は対米外国投資委員会(CFIUS)に申請をしないまま、土地を購入して活動を始めた容疑で告発されました。

さらにこの行為は不当な買収にあたるとして調査の対象になり、ホワイトハウスは司法長官に必要に応じて命令を執行する権限を与えました。

この施設では米国外からの技術が使用されていると見られ、財務省の報告によっても国家的に重要な安全性の問題として取り上げられています。

問題が軍事面のセキュリティに関わることであるため、CFIUSも国家機密の漏洩防止に努めています。しかし現状ではMineOneからのコメントは一切ありません。

中国国内ではデジタル元構想に黄信号

e-CNYとも呼ばれるデジタル元は現在実験段階にあり、中央銀行デジタル通貨(CBDC)として国家公務員の給与支払いにも利用されています。しかし利用の拡大が進まずに苦戦しているようです。

英字新聞のサウスチャイナ・モーニングポストによれば、早期にデジタル元の利用を始めた人々は、早急に現金化して使用するため、銀行口座に送金を始めると見られています。

あるデジタル元の所有者は、「アプリにデジタル元を保有しておくつもりはない。貯めておいても何の利益にもならないから。結局持っていても、オンラインでもオフラインでも使いみちがないんだ」と憤りを見せています。

デジタル元は2019年から、中国国内で試験的に流通していますが、未だに正式なローンチの目途は立っていません。中国は他の先進国の先頭に立ってCBDCの開発を進めています。

しかしブロックチェーンに結合した場合、理論的にはすべてのトランザクションが追跡可能になるため、プライバシーに関する深刻な問題をはらんでいることも事実です。

このような事情から、消費者はCBDCよりもAlipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)などのオンライン決済ツールか、現金による決済を選択しています。

中国国内では仮想通貨取引が禁止されていますが、グレー市場を通じて購入する人が増えているようです。中国株や不動産に代わる資産として、今後も仮想通貨取引が水面下で活発化するかもしれません。

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